自動連結器

(2012.06.19 更新)

現在、主に鉄道の貨物用に使用されている自動連結器は、 基本的な形状が60年以上変わっていない。 それだけ完成度が高いということだろう。

この連結器についても、調べてみると奥が深い。連結や開放が簡単にできるように メカニズムが工夫されている。 連結は、開いた連結器同士を接近させるだけで自動的にロックがかかるようになっているし、 開放についても、どちらか一方の連結器のロックを外せば開放できるようになっている。 そこには完成された美しい部品の「形状」がある。

以下の写真は5インチゲージという大きな鉄道模型用の、 本物と全く同じメカニズムの連結器の写真である。 これ1組で 25,000円と大変高価だったので、購入しようかどうするか半年も悩んだが、 悩みは健康に良くないからと(こじつけて)買ってしまった。


以下は連結の様子




ナックルの根元部分はカムのようになっていて、棒状の部品を引っ張り上げることで ナックルを開く。 ナックルが閉じると、今度は逆に棒状の部品がストンと落ちてロックがかかる。 大変よく考えられている。

旅客用電車に使われる「密着連結器」というのがあるが、 これもまた非常によく考えられている。密着連結器の発明者は、自動連結器の発明者の 兄弟だという話をどこかで読んだような気がするが、気のせいかもしれない。 この密着連結器の模型も欲しいと思っているのだが、なかなか無いようだ。だから以下のように自作した。

密着連結器
密着連結器:開放状態
密着連結器:ロック状態


3Dプリンタで造形する場合のSTLデータ

上記の連結器を3Dプリンタで造形するためのSTLファイルは以下からダウンロードできる。
密着連結器本体
廻り子部分
廻り子をまわすハンドル部分の押さえ(取手)
廻り子を回す部分に金属の棒材が別途必要である。上記STLファイルをそのままで造形するときは、直径2[mm]長さ35[mm]程度の 棒材2本が必要。材質は真ちゅうまたはピアノ線を用いてください。
加工のしやすさなどを考えた場合、上記STLファイルを1/2のスケールで造形するくらいがちょうどよい。 この場合は直径1[mm]の棒材を用いてください。


以下、透明アクリル樹脂で製作して内部構造を可視化したモデルの画像
片方の連結器の回り子を「開放」位置あるいは「結合」位置へ動かすと、接合状態にある他方の連結器の 回り子も連動するというのが、この機構の注目すべき点である。