等高重心立体
(2007.03.13 更新)
スフェリコン(sphericon)
正方形の対角線を軸として回転させて出来る立体を、
その正方形で切断して、片方の立体を切断面部分で90°回転して張り合わせてできる立体である。
この立体は、以下のような特徴がある:
- 平面上で転がすと、重心は常に同じ高さである(等高重心立体の一つ)。
- 平面の上で転がると、全ての面が地面と接する。
- この立体は全て円錐面で構成されているので厳密な展開図を描くことが可能であり、
紙を切り抜いて作ることができる。
- 上記の展開図はひと続きの面となっており、たった1つの部品で構成される。
(つまり、例えば円柱のように展開図が側面のパーツと底面のパーツという具合に分割されることがない)
- ねじれ位置に配置された半円図形の凸包立体になっている。
どんな感じに転がるのかを確認したかったので、作ってしまった
スフェリコンが転がる様子
スフェリコンが転がる様子のムービー (980KB)
これが何の役に立つのか?という問いはナンセンスである。
なにしろペーパーウエイトに使おうとしても、少しの傾斜でなめらかに転げ落ちてしまうので、役に立たない。
敢えて言うなら、癒し効果かな。ツイストしながら転がっていく様子を見ると、
とても癒されるのだが、それは私だけだろうか?
スフェリコンの立体データ(STL形式,6KB)
この立体図形はCADで簡単に作成できるが、立体データをアップしておく。
機械で削りたい人は挑戦してみてほしい。
この立体に限らず、似たような立体を何かに役立てている例はないかと探してみたところ、ありました。
池の底へ沈めておき、わずかな水流によって転がることで池の底の水をかきまわすのに使用するようです。
(その効果のほどは未確認)
情報源のブログへ
ツーサークルローラー(Two-circle roller)
円盤の中心軸を互いに90度ねじって、円の中心間の距離を円の半径の√2倍で固定した
図形の凸包立体。
円の中心間の距離を円の半径と同じにしたものはオロイドと呼ばれるが、
オロイドは等高重心立体ではない。
CG画像
NC工作機械で削り出した立体
ツーサークルローラーが転がる様子のムービー (3.36MB)
ツーサークルローラーの立体データ(STL形式,44.6KB)
この立体図形はCADでの作成は困難である。立体データをアップしておく。
機械で削りたい人は挑戦してみてほしい。
筆者は、この立体データを生成するため、まずJavaプログラムで2つの円の円周を360分割した点列の
座標データを生成し、 Qhull というフリーの汎用プログラムを利用して
上記点列の凸包立体を計算し、計算結果を再びJavaプログラムを用いてSTLファイル形式に変換した。
ツーサークルローラーの展開図(PDF形式,68.4KB)
上記のSTL形式のデータを「ペパクラデザイナー」という市販のソフトを使用して、展開図にしたもの。
紙を切り抜いて、辺をテープ等で貼りあわせると立体になる。
展開図はひと続きの面となっており、たった1つの部品で構成され、折り目が一切無いという面白い特徴がある。
その他の等高重心立体
- 球 ただし斜面では直線的に転がり、地面と接するのは球面上の一部の円部分
- 円筒 ただし斜面では直線的に転がり、側面の円部分は地面に接しない
- 円錐 ただし斜面では直線的に転がることができず、底面の円部分は地面に接しない
- ヘキサスフェリコン スフェリコンと同様の特徴を持つ
スフェリコン、ヘキサスフェリコン、ツーサークルローラー等については、
他のサイトに良い説明がありますので以下リンクしておく。
「スフェリコン」のページのサイトへ
「はまぐりの数学」のページのサイトへ
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