きちんと噛み合って,どちらの方向へもちゃんと動力を伝達するためには,
平歯車ではだめであることは図やデモより明らかである。
歯車として使用するためには,位相を180度までずらした”はすば歯車”か、
あるいは位相を180度ずらせた平板2枚を貼り合わせて使用する必要がある(下図参照)。
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【図1:一枚歯のはすば歯車】
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【図2: 1枚歯形状の平板2枚を貼り合わせたもの】
画面をクリックすると,動画gifが表示される(また無意味な物を作ってしまった…)
レンダリングには自作レイトレーシングプログラムを使用,一次反射光のみトレース
また,歯が1枚だと歯の接触面の”すべり”が大きくなることも分かる。 接触面はすべっているのに,きちんと噛み合って必ず等速で回転するというのは少し奇妙な感じがして, これが実にいい味を出している、と筆者は思う。
CGだけでは滑り摩擦による伝達効率などを実感できないので,エポキシ樹脂を
用いて以下のような実物を作ってしまった。
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この歯車の圧力角(ピッチ円における歯形曲線の接線と中心線のなす角) を計算すると,π/2−ASIN(46/116) となり,約66.6度と非常に大きいことが 分かる。つまり,相手の歯を押して力を伝えるとき,回転方向よりも 軸を遠ざける方向の力が大きくなってしまう。 JIS規格では,この圧力角は20度にするよう規定されている。 そこで, 軸間距離を変えずに圧力角が20度になるように基礎円の大きさを 変えてみる。 sin(90-20度) = x / 116より,基礎円直径xは109.0になる。
参考文献:技能ブックス(13)/歯車のハタラキ,大河出版